WAFとは?DDoS攻撃・不正アクセスから守る最新のセキュリティ対策

WAFとは?基本的な仕組みと役割を解説

Webサイトを狙った攻撃は年々巧妙化しており、その防御手段としてWAFの導入が進んでいます。ここではWAFとはそもそも何なのか、その役割や仕組みについて、初めて聞いた方でも分かるように丁寧に解説します。

WAFとは?Webアプリケーションを守るセキュリティの要

WAF(Web Application Firewall)とは、Webアプリケーションに特化したセキュリティ対策の1つ。一般的なファイアウォールがネットワーク層の通信を監視するのに対し、WAFはHTTP/HTTPSといったアプリケーション層の通信をチェックし、悪意あるリクエストをブロックします。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などWebサイトを狙った代表的な攻撃を防ぐうえで、今では不可欠な存在となっています。

WAFの仕組み:通信のフィルタリングと攻撃遮断

WAFがどのように攻撃を防いでいるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。WAFには主に「シグネチャ検知」と「振る舞い検知(行動分析)」という2つの手法が用いられています。

  • シグネチャ検知型:既知の攻撃パターン(シグネチャ)と一致する通信をブロック。
  • 振る舞い検知型:通常と異なる通信の動きを察知し、未知の攻撃にも柔軟に対応。
このような仕組みによって、WAFは日々進化する攻撃手法に対しても高い防御力を発揮しています。

クラウドWAFとオンプレミス型WAFの違いとは?

WAFには「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つの導入形態があります。
どちらにもメリットがあるため、自社に合った選択が大切です。

  • クラウドWAF:インターネット経由で提供されるサービスで、初期導入が簡単。トラフィックの急増にも柔軟に対応できます。
  • オンプレミス型WAF:自社サーバーに設置し、ポリシーに沿ったきめ細かな運用が可能。厳格なセキュリティ管理が求められる業界に適しています。

DDoS攻撃とは?WAFで防げる攻撃手法の種類

ここではWAFが得意とする「DDoS攻撃」への対策についてご紹介します。
ニュースでも耳にすることが増えたこの攻撃、実はどんな人にも関係があるんです。

DDoS攻撃とは?大量トラフィックによるWebサービスの停止リスク

DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃とは複数のコンピューターから一斉に大量のリクエストを送ることで、Webサービスやサーバーをダウンさせる攻撃手法です。
サービスが停止すると、ユーザーはサイトにアクセスできなくなり、企業にとっては信頼性の低下や売上損失につながりかねません。
だからこそ、DDoS対策は重要なセキュリティ項目の1つになっています。

WAFで防げるDDoS攻撃の種類と対策

WAFはアプリケーション層へのDDoS攻撃をブロックするのに役立ちます。代表的な攻撃とそれに対応するWAFの機能は下記の通りです。

  • HTTPフラッド:Webページに対して大量のリクエストを送信する攻撃。WAFはこのようなリクエストの特徴を見極めて遮断します。
  • Slowloris:接続だけ行い、応答を遅らせてサーバーを疲弊させる攻撃。WAFは一定時間内に処理されない接続を自動的に切断します。
このようにWAFは、サービス停止を防ぐ強力な味方になります。

DDoS攻撃対策にクラウドWAFを導入するメリット

クラウドWAFはDDoS対策に最適です。
インターネット上でのトラフィック処理能力に優れており、攻撃を分散させることで負荷を軽減できます。
また、自動的に最新の攻撃手法に対応するため、導入後も常に高いセキュリティレベルを維持できる点も大きなメリットです。

不正アクセス対策:WAFで防止できる主な攻撃手法

SQLインジェクション:データベース不正操作の防止

WAFが防げるのはDDoS攻撃だけではありません。
ここからは不正アクセス対策としても有効なWAFの実力をご紹介します。
SQLインジェクションはWebフォームなどから悪意のあるSQLコードを送り込み、データベースを操作する攻撃。攻撃者はこれを利用して、情報の抜き取りや改ざんを試みます。

WAFは送られてきたリクエスト内容を分析し、SQL構文に異常があれば即座に遮断することができます。システムへの侵入を防ぎ、重要な情報の保護に役立ちます。

クロスサイトスクリプティング(XSS):ユーザー情報漏えいの防止

クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃は、Webサイト上に悪意のあるスクリプトが埋め込まれ、ユーザーのクッキーやセッション情報が盗まれることです。

WAFはスクリプトの挙動や含まれる不審な文字列を検知し、実行前にブロック。
ECサイトや会員制サービスを運営する企業にとって、非常に心強い存在です。

WAFセキュリティの導入メリットと選び方

ここまでWAFの役割をご説明してきましたが、本当に「導入すべきかどうか」や「どんなWAFを選ぶべきか」という点は気になりますよね。
ここでは、導入のメリットと選定ポイントをご紹介します。

WAF導入のメリット:不正アクセス・DDoS攻撃対策の強化

WAFを導入することでSQLインジェクションやXSS、DDoSといったさまざまな攻撃を事前にブロックできます。また、万が一のインシデント時にも、アクセスログを取得・分析できる点は運用面でも非常に心強いでしょう。

セキュリティを強化することで、ユーザーに安心してサービスを利用してもらえるという点も大きなポイントです。

オンプレミス型・クラウドWAFの選び方と比較ポイント

WAFを選ぶ際には自社の体制やニーズに合わせた導入形態を見極めることが重要です。

  • オンプレミス型:高度な制御や独自ルールの設定が必要な場合に最適。
  • クラウドWAF:導入の手軽さや保守のしやすさ、スケーラビリティを重視する企業におすすめ。
費用や保守の負担、拡張性なども比較しながら、自社に最適なWAFを選びましょう。

DIT SecurityのWAFで企業のセキュリティ対策を強化

DIT Securityでは柔軟なカスタマイズが可能なWAFソリューション「WebARGUS Fortify」をご用意しています。
システムにあわせた導入支援から、万が一のインシデント発生時のサポートまで、一貫して対応できる体制を整えています。
詳しくはWAFサービスの詳細ページをご覧ください。

まとめ

WAFはWebアプリケーションを狙った攻撃を防ぎ、システムやユーザー情報を守るために欠かせないセキュリティ対策です。
SQLインジェクション、XSS、DDoS攻撃など、さまざまな脅威に対応できる柔軟性と即応性を兼ね備えています。

DIT SecurityではWAFの選定から導入、運用までトータルにサポートしています。
WAF導入を検討されている方は、ぜひDITのWAFサービスまでご相談ください。