企業が実施すべきペネトレーションテストとは?脆弱性診断との違いも紹介

2024年7月26日(金)2025年12月11日(木)
近年、企業のWebサービスや社内システムを狙ったサイバー攻撃は増加の一途をたどっています。

「セキュリティを強化したいけれど、どんな対策を選べばいいのかわからない」
こんな方も多いのではないでしょうか?

セキュリティ対策はむやみにツールやソリューションを導入すれば良いというものではありません。
効果的な防御を行うには、まず「自社のどこに弱点があるのか」を知ることが最も重要です。

その「弱点を明らかにする方法」の一つがペネトレーションテスト(侵入テスト) 。

今回はペネトレーションテストとは何か、脆弱性診断との違い、実施の流れやタイミングについて、わかりやすく解説します。

ペネトレーションテストとは?

Webサービスや社内システムは、常に外部からの攻撃リスクと隣り合わせです。
そんなリスクに備えるため、「システムがどこまで攻撃に耐えられるかを攻撃者の視点で検証する」のがペネトレーションテストです。
単なるシステム点検ではなく、実際の攻撃を模倣して「もし攻撃を受けたら、どこまで侵入されてしまうのか」を調べる、実践的なセキュリティ評価です。

ペネトレーションテストの概要と目的

ペネトレーションテストとは「セキュリティ専門家が攻撃者になりきってシステムに侵入を試みるテスト」。
攻撃対象となるサーバーやWebアプリケーション、ネットワーク機器などに対して、不正アクセス・情報取得・権限昇格などを段階的にシミュレーションし、実際の防御体制を検証します。
目的は「システムの穴を探すこと」ではなく、「攻撃がどの程度成功するのか、防御策が本当に機能しているのか」を確認することです。
例えば「メールの添付ファイルから感染する」「ログイン画面から突破される」など、現実にあり得る攻撃シナリオを再現し、対策の有効性を見極めます。

企業がペネトレーションテストを実施すべき理由

多くの企業が「脆弱性診断を行っているから十分」と思いがちですが、脆弱性診断では理論上の危険は分かっても、「実際にどこまで侵入できるのか」までは分かりません。
ペネトレーションテストを行うことで、次のようなメリットが得られます。

  • 実際の攻撃でどの経路から侵入される可能性があるかを把握できる
  • 対策の「優先順位」や「実効性」を明確にできる
  • 被害が発生した場合の影響範囲を具体的に想定できる

ペネトレーションテストと脆弱性診断の違い

セキュリティ対策を検討している方が最も気になるのが、「脆弱性診断との違い」。
この2つは似ているようで、実は目的も手法も大きく異なります。

脆弱性診断とは?

脆弱性診断とはシステムやアプリケーションの欠陥(=脆弱性)を洗い出す検査です。
ツールを用いた自動スキャンや専門技術者による手動チェックを通じて、攻撃の入口となる部分を特定します。

例えば「古いバージョンのソフトウェアを使っている」「パスワード設定が弱い」など、「潜在的な問題点」を早期に見つけるのが目的です。

脆弱性診断はセキュリティ対策の「第一歩」として有効ですが、攻撃の再現までは行わないため、発見された脆弱性がどの程度危険なのか(=被害レベル)までは判断ができません。

脆弱性診断について詳しくは『脆弱性診断とは?企業が今すぐ始めるべきセキュリティ対策を解説』をご覧ください。

ペネトレーションテストとの主な違い

ペネトレーションテストは、脆弱性診断で見つかった問題点をもとに、実際に侵入できるかを検証するテストです。
項目脆弱性診断ペネトレーションテスト
目的欠陥の発見防御力・被害範囲の検証
方法自動・手動で網羅的にチェック攻撃を模倣して侵入テスト
結果脆弱性リスト攻撃成功の可否・被害の具体化
実施者技術者または診断ツール高度な知識を持つ専門エンジニア
どちらか一方ではなく、「脆弱性診断で弱点を洗い出し → ペネトレーションテストで実際のリスクを検証」という流れで組み合わせるのが理想的です。

どちらを実施すべきかの判断基準

状況に応じて、実施すべき内容は変わります。

  • 新システム・新アプリのリリース前:脆弱性診断で欠陥をチェック
  • 既存システムの防御力を確かめたいとき:ペネトレーションテストで実践評価
「どちらが必要か分からない」という場合は、DIT Securityのような専門企業に相談し、現状を可視化するのが確実です。

ペネトレーションテストの流れと実施方法

ペネトレーションテストはただ攻撃を試すだけではありません。
しっかりとした計画と報告プロセスがあり、企業活動に支障を与えないように慎重に行われます。

事前ヒアリングとスコープ設定

まずはどの範囲まで攻撃を許可するかを決めるステップです。
対象となるシステム・アプリ・サーバーを明確にし、テストによる影響を最小限に抑えながら安全に進めます。

また、ヒアリングを通じて「想定する攻撃シナリオ(例:メール経由・外部からの侵入など)」を設定します。ここが曖昧だと、正確な結果が得られないため非常に重要なステップです。

攻撃シミュレーションの実施

エンジニアが実際に攻撃を模倣し、不正アクセス・情報漏洩・権限昇格などを段階的に試みます。
最新の攻撃手法をもとに実施するため、理論上のリスクだけでなく「現実に侵入されうるルート」を明確にできるのが特徴です。

報告と改善提案

テスト後には詳細な報告書が提出され、どこに脆弱性があったのか、どのように改善すべきかが明示されます。
また、改善後に再テストを行うことで、対策の有効性を検証することも可能です。
DIT Securityでは単なるテスト結果の報告に留まらず、改善支援・運用アドバイスまで一貫して対応しています。

ペネトレーションテストを実施するタイミングと注意点

「うちの会社もやった方がいい?」と感じている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、実施の適切なタイミングと注意点を紹介します。

ペネトレーションテストを検討するタイミング

  • 新しいWebサービスやアプリを公開する前
  • サーバー構成やネットワークを大幅に変更したとき
  • 情報漏洩事故や不正アクセスの発生後
  • セキュリティ対策の見直しを行いたいとき
攻撃する側は常に新しい手口を開発しており、「以前安全だった」構成が今も安全とは限りません。
特に外部からアクセスできる環境を持つ企業は、定期的な実施(年1回程度)が推奨されます。

注意すべきポイント

ペネトレーションテストは実際の攻撃を模倣するため、誤った手順で行うと業務に影響を与える可能性があります。
そのため、信頼できるセキュリティ企業への依頼が必須です。

また、手動テストはエンジニアのスキルや経験によって精度が変わるため、実績と専門性を持つ企業を選ぶことも大切です。費用だけで比較するのではなく、どんなチームがどのようにテストを行うかまで確認しましょう。

DIT Securityのペネトレーションテストサービスの特徴

DIT Securityでは経験豊富なエンジニアが最新の攻撃手法に基づいたペネトレーションテストを実施しています。

経験豊富なセキュリティエンジニアによる実施

DIT Securityの専門チームは、サイバー攻撃の傾向や手口を熟知しています。
システム構成や業種特性に合わせた攻撃シナリオを構築し、実際の脅威を想定した実践的テストを行います。
そのため、単なる形式的なテストでは得られない「実効的な防御力評価」が可能です。

脆弱性診断との連携による包括的支援

DIT Securityでは脆弱性診断とペネトレーションテストを組み合わせた総合セキュリティ評価を提供しています。
「弱点を探す → 実際に試す → 改善する」という流れをワンストップで支援することで、
効果的な対策を行いながら、不要なコストを抑えた最適な防御体制を構築します。

まとめ

ペネトレーションテストとは、実際の攻撃者の視点で防御体制を評価する実戦的テストです。
脆弱性診断で発見した欠陥をもとに、攻撃がどこまで成功するかを検証することで、
システムの「本当の防御力」を見極めることができます。

サイバー攻撃は進化を続けています。
「うちは大丈夫」と思う今こそ、現状を正しく把握するタイミングです。

DIT Securityでは脆弱性診断とペネトレーションテストの両方を組み合わせた最適なセキュリティ支援を提供しています。
企業のセキュリティ対策を検討されている方は、ぜひDITのWAFサービスまでご相談ください。

執筆者情報

大西浩二のプロフィール写真

ITセキュリティ事業部 ソリューションデリバリ部 部長

大西 浩二(おおにし こうじ)

業界歴25年以上。これまで数多くのサーバ構築や運用に携わり、その中でサイバーセキュリティ分野の案件にも豊富な経験を持つ。現在は、製品導入支援や脆弱性診断といった専門性の高い領域を中心に活動。長年培ってきた知識と実績を活かし、企業のセキュリティ課題解決に取り組んでいる。